ロイスがいつも狙ってる!〈ハーフスペース〉の意味と活用ついて勉強してみよう!




サッカー

ハーフスペースとは?

ピッチに縦に線を引くようにして、中央とサイドのレーン間に、もうひとつのレーンを設定します。敵陣において中央とサイドの守備組織のちょうど間を縫うようにスペースを想定するのです。
「ハーフスペース」を含んだフィールド区分によって攻守両面で様々な戦術的効果を得ようとする考えを「5レーン理論」と呼びます。ジョゼップ・グアルディオラ監督がきわめて効果的に用い、現代サッカーでは大流行りです。

ハーフスペースの効果

ここを使われると、中央(センターバック)と、サイド(サイドバック)のDFのどちらが、アタッカーを見るべきか選択を迫ることができます。すつまり、相手に複数の基準点を作り、混乱させるのです。
守備側にとっては大きな脅威となるため、何らかの対応をしなければならず、攻撃側はそれをあらかじめ想定し、利用できるのです。
攻撃側は、ゴールに近い「ハーフスペース」に入ることができれば、中央攻撃よりはプレッシャーが軽く、サイド攻撃よりはゴールに近いため、比較的余裕をもってゴールに直結するプレーを選択できます。
中央のDFを引き付けて動かすことができれば、中央のレーンに味方が使うスペースを生み出すことができます。
サイドのDFを動かせれば、サイドにフリースペースができ、一度外の味方にパスをして、そこから中央への正確なボールを供給できる可能性が高まります。
また、味方を使うだけではなく、それを囮に自らがゴール前に侵入し決定的なプレーを狙うこともできます。いずれにせよ、敵にとってきわめて危険な場所なのです

ロイスとハーフスペース

ハーフスペースを主戦場にするのがインサイドハーフという役割ですが、必ずしもそのポジションの選手だけが活用するわけではありません。
例えば、ドルトムントのマルコ・ロイスは中央でシャドーストライカーの位置にあることが多いのですが、ハーフスペースを常に狙っています。
ロイスは中央から斜めの動きによってレーンを移動します。相手DFは斜めに動かれると、距離が取りづらいので、ロイスをフリーにしてしまったり、スペースを空けてしまったりします。これによってロイスはハーフスペースでボールをより受けやすくなります。
ハーフスペースの深いところにロイスは、中央のパサーだけどが自分から出ていきます。内側から出ていくのは、守る側からしても厄介です。
サイドで外を追い越すよりも、内側から出ていくのがトレンドになっているのです。敵がかなり守備的になっており、こっちからすると後方に引かれた状態を打開する手段としてゆうこうです。
なお、こういった動きは、ロイスの専売特許ではなく、むしろ今のサッカーの主流になっています。

ドルトムント苦戦の理由

ところで、結果的に1-3で勝ったものの、ドルトムントが第2節(19/20シーズン)でケルンに苦戦した理由は、ロイスがバイタルエリアで後方からのボールを受けることができなかったからでしょう。
敵のディフェンスラインと敵の中盤との間のバイタルエリアにボールが入るのが得点への起点になりますから。
逆に言うと、ケルンはそこへの縦パスのコースを切っていたことになります。これが前半ケルンが善戦できた理由でしょう。
前半、むしろケルンの方が攻撃でドルトムント陣内のバイタルエリアに侵入しチャンスを作り出していました。
参考:スカパー!「19/20ブンデスリーガ第2節ケルン×ドルトムント」、『砕かれたハリルホジッチ・プラン』星海社新書、『アナリシス・アイ』小学館文庫
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