南野拓実のリヴァプール移籍、決まりましたね。南野はザルツブルクに加入してから2018-19シーズンまで、中心選手どころか、準レギュラー扱いだったのに大出世です。
今季2019-20に飛躍したのは、ジェシー・マーシュ監督が就任したことが大きな要因でしょう。そこで彼について調べてまとめておきたいと思います。
プリンストン大学出身
1973年にウィスコンシン州ラシーンで生まれたマーシュは、名門プリンストン大学でプレーした後、故郷の大学システムを介してプロの世界に参入しました。彼はサッカー後進国アメリカの出身です。
彼のコーチ、ボブ・ブラッドリーという人は、後にDCユナイテッドでアシスタントを務め、1996年にマーシュがMLSでドラフトされるのを協力してくれました。
レッドブルズでの成功
すでに現役を引退していたマーシュは、2010年2月、恩師ブラッドリー監督が率いていたアメリカ代表のアシスタントコーチに就任しました。
それからは、2012年にMLS拡張フランチャイズによって立ち上がったモントリオールインパクトの指導、母校プリンストンの元大学チームのアシスタントコーチを経て、2015年1月にニューヨーク・レッドブルズの監督になりました。
この役割はマーシュにとって適任でした。個人として2015年のMLS Coach of the Yearに選ばれただけでなく、チームをMLSサポーターズシールドの勝者に導きました。
ヨーロッパへの野心
マーシュはアメリカでの成功では満足できませんでした。指導者として、フットボールの本場であるヨーロッパを目指したのです。彼は野心家です。
UEFAのコーチングバッジを取得を目標に、スターリング大学とグラスゴーのハンプデンパークでスコットランドFAを履修しました。その2年間、ニューヨークとスコットランドを往復し続けたのです。
戦術だけでなく精神!
マーシュはどのようなスタイルの監督なのでしょうか?ハイプレスを推奨し、エネルギッシュなプレーを志向しますが、それは彼の生き方と共通しています。
そして選手たちがチームを自分の家のように思えば思うほど、あるいは自分が心から楽しめれば、チームはどんどん強くなると考えていると思われます。
マーシュは、選手にチームプレーの精神を育ませ、責任を持たせるようにするのです。これはマーシュの指導の大きな柱です。
マーシュ監督は、確かに戦術家ですが、チーム作りにおいて実は精神的な面の熟成に多くの時間を費やしています。
マーシュのチームの監督やコーチは、チームのリーダーになり、選手のメンターになり、それに最高レベルで取り組む方法や理解するのを助けるのです。マーシュはそれが指導者としての喜びであると考えています。
ヒュッターと日本人選手と…
2019-2020シーズン、長谷部誠と鎌田大地が所属する、ドイツブンデスリーガのフランクフルトを率いているアドルフ・ヒュッター監督は、2014-2015シーズンにザルツブルクで南野拓実を指導しました。
ヒュッター監督は、マーシュ監督と同じいわゆる〝レッドブル系〟の監督としてつながっています。このつながりの中に欧州で活躍している日本人プレーヤーが複数関わり、ステップアップしている流れには、今後も注目していきたいですね。
参考:ブンデスリーガ公式サイトなど