2020年1月1日、2019-2020イングランドプレミアリーグ第21節VSマンチェスターユナイテッド、ミケル・アルテタ新監督のアーセナルにとって初勝利。
ユナイテッドは問題山積だが…
ポグバ不在
アルテタに初白星を献上してしまったマンチェスターユナイテッドですが、スールシャール体制において、攻撃(唯一の戦術がカウンター…)や中盤(ポグバ不在!)については問題山積ですが、守備は平均以上です。
誇りにすべき勝利
その意味でこの勝利は誇ってよいもので、内容面でもすばらしく、文字通りアーセナルの快勝でした。さて、わずか数週間でアルテタはアーセナルをどのように変えたのでしょうか?
アルテタの改革
ディフェンスの改善
数週間前までのエメリ体制の悲惨なパフォーマンスを振り返ると、アルテタの戦術/トレーニングに対する、選手たちの反応はポジティブな意味で本当に驚くべきものです。
アルテタがアーセナル監督に就任してからの2週間で達成したことは…
チームとしては、ディフェンス(守備の意識)の改善で、
蘇った選手たち
各々の選手としては、メイトナイド=ナイルズ、ダビド・ルイス、ルーカス・トレイラ、ジャカ、エジル、ニコラ・ぺぺの改善でしょう。
走れるチームに!
これらの底流にあるのは、
戦術、システム、およびポジションのすべてについて、選手たちが、できることは可能な限り一生懸命に働いている点です。
プレスの際に全力疾走し、高速でリカバリーをして、長い距離を走り、空いたスペースを埋め、つまりは一人の選手が複数のタスク担うということ!これがアルテタ体制による新しいアーセナルの基本的な要素と考えてよいでしょう。
象徴的な変化としてのエジル
最長走行距離
メスト・エジルは、マンチェスターユナイテッド戦で、試合中の走行距離が最長でした。
メスト・エジル 11.53km
ルーカス・トレイラ 11.41km
ピエール・オーバメヤン 11.03km
グラニト・ジャカ 11.02km
これはエジルがアーセナルに在籍した2年間で最長です。加えて、ほかのチームメイトよりも多くのボール奪取に関与しました。
オーバメヤンも!
またオーバメヤンの走行距離も見逃せません、本当によく自陣に戻り守備をしていました。何度もスプリントしていました、守備に向かうために!
チームの走行距離とスプリント回数
チーム全体のスプリント数
スプリントに関して言うと、アーセナルはウナイ・エメリのもとでの最後のホームゲームで93回のスプリントを行いました。
それに対して今回は116回のスプリントをしました。
チーム全体の走行距離
そしてチームとしての総走行距離は、105kmから114km!まで上がりました。
組織化されたポジショニングからのスプリント!まるでペップ・グラウディオラのチームを見ているかのようでした。サポーターはこの若き新しい監督を真に信じ始めているでしょう。
ただし、アルテタは、この強度で90分間を戦う準備が、今のアーセナルにはできていないと言っていたそうです。
激しくしかも安定した中盤
トレイラとジャカ
中盤の2人、トレイラとジャカの改善にはどう少しふれておきましょう。彼らはアルテタの下で良い兆候を見せています。
特に戦術におけるジャカの役割を再認識することになりました。ボールの保持、配球、攻撃中の後方のカバーなど、重要な役割を担っています。
また、マンU戦でのルーカス・トレイラのディフェンス力は特筆すべきものでした。
アルテタは名将になる?
いずれにせよ、アルテタは、エジルやオーバメヤンに利己的なプレーに走るのをやめさせ、献身的なプレーをする意識を植えつけたのです。ジャカやトレイラの力を最大限に発揮させることに成功したのです。
元監督のエメリもプランがあったと思うのですが、未熟な英語力と相まって、それを選手たちに伝えきれなかった、やらせることも無理だったのです。
驚くべきはアルテタが選手たちに伝えられ実際にやらせることができたことで、しかも勝ったことです。
これは明らかに監督としての適性が高いということで、ペップ・グラウディオラによる評価が間違いではなかったことの証拠でしょう。
アルテタが、のちの名監督になる可能性がある人物だということが証明されたわけです。