ザクの種類と歴史




ガンダム

前史

ザクⅠ MS‐05B

ジオン軍が開発した初の量産型モビルスーツであると同時に、実戦に投入された初めてのモビルスーツ。通称旧ザク

第三話「敵の補給艦を叩け!」では、老兵ガデム艦長が駆ってガンダムに白兵戦を仕掛けるものの、相手にならなかった。のちのザクのスパイクショルダーアーマーに発展する、ショルダーアーマーを備えているのが目立つ。ガデムはこのショルダーでの体当たりでダメージを与えようとしたのであった。

青いランバ・ラル専用機、黒い三連星仕様機もある。

ザクⅠ MS‐P06
試作機。肩にトゲトゲのスパイクとシールドがなく、両肩を旧ザクの左肩にしたようなスタイル。


ザクⅡ MS‐06A
MS‐P06同様、肩にトゲトゲのスパイクとシールドがなく、両肩を旧ザクの左肩にしたようなスタイル。


ザクⅡ MS‐06C
初期量産型。ジオン軍が宇宙コロニー・サイド2を地球に落下させた、ブリティッシュ作戦(宇宙世紀0079年1月4日)の頃のザク。地球に落ちていくコロニーを見守っているザクがこのタイプ。南極条約以前の機体なので、まだ耐放射能機能があった。

みんなが知っている、いわゆる「ザク」

ザクⅡ MS‐06F
最も多く作られたザクで、単に「ザク」と呼んだ場合、このタイプを指す。MS‐06Cからの改良点は軽量化である。

F型の派生機

ザクⅡ MS‐06F2
1年戦争後期、MS‐06Fのコックピットを改修したタイプ。
ザクⅡ MS‐06FZ
通称ザク改。1年戦争末期、MS‐06Fの設計を見直し、生産性と操作性を向上させたタイプ。

パイロット専用機など

ザクⅡ MS‐06S・S
通称シャア専用ザク。MS‐06Fの機動性を高めたモデル。シャア自身の命令でパイロットの負担を考えた(スラスターの)リミッターを外したモデル。シャアはこのザクを駆ってレビル艦隊を強襲し、ルウム戦役でのジオン勝利に大きく貢献した(2階級特進で中佐に)。ちなみに実際にレビル将軍を捕らえたのは黒い三連星である。

岡田斗司夫氏は、ニコ生のガンダム講座で、シャア専用ザクの「通常の三倍」のスピードについて、シャアの美学と解釈している。モビルスーツの性能として三倍速いのではなく、シャアは帰りの燃料を考えないでブーストするので速いとしている。ちなみに性能の点にも岡田氏は少しふれており、シャアのザクは指揮官用で前線で戦わないので装甲が薄い、だから軽くて速いという考え方、妄想をしている。


ザクⅡ MS‐06R‐1
通称「高機動型ザクⅡ」。脚にスラスターを増設して高い機動性を追求したモデルで、黒い三連星が一時期搭乗していた。『THE ORIGIN Ⅴ』で月面都市グラナダで黒い三連星が視察した黒いカラーリングの3機。ルウム戦役でこのザクを駆ったガイア、マッシュ、オルテガの三人は連邦の戦艦を次々に沈めていくのである。ガイア/マッシュ専用機とオルテガ専用機(ジャイアント・ヒート・ホーク装備)がある。

ザクⅡ MS‐06R‐2
ザクⅡ MS‐06R‐1の改良型。ジオニック社がツィマット社のドムと宇宙主力モビルスーツのコンペに参加し敗れたモデル。

ザクⅡ MS‐06FS

ガルマ・ザビ専用機。マゼラ・トップ砲や専用大型ヒート・ホークを装備。

目的別

MS‐06K ザクキャノン。対空防御用。武装としてキャノン砲を装備。

MS‐06D 熱帯・砂漠戦用。アフリカ戦線などで活躍したとされる改修機。

MS‐06V ザクタンク。ザクとマゼランベースを組み合わせた特殊車両。

MS‐06G 陸戦高機動型ザクⅡ。

MS‐06W 一般作業型ザク。破壊されたMSの使用可能なパーツを組み合わせて作った機体。

MS‐06M 水中用。地球侵攻の際に水中用に再設計された機体。水流ジェットエンジン付きのバックパック、水上艦艇攻撃用武器サブロックガンを装備。

MS‐06E 宇宙用。強行偵察型。頭部にカメラアイがあり、カメラガンを装備。

MS‐06E‐3 ザクフリッパー。宇宙用。強行偵察型の高性能機。

大河原邦男氏曰く…

・ザクのメカデザインは自由にできた。新しいチャレンジが許された。

その理由は、①富野由悠季監督からの提示された条件は「ひとつ目」だけだった。②主役ガンダムはおもちゃにするための商業的な事情がからんでいたが、敵役はそうではなかった。

・ザクの腰周辺のモチーフは背広である。

その理由は、大河原氏はオンワード樫山でスーツの絵ばかり描いていた過去があった。②ガンダムのような、当時の合体ロボのような角柱や円柱の足ではなく、ふくらはぎの膨らみを描いた。③連合国軍(アメリカ・イギリス)のようなガンダムと差別化するために、ドイツ軍をイメージした。

・シャア専用や旧型ザクというバリエーションは深く考えていなかった。

その理由は、当時ガンダムの他タイムボカンシリーズやゼンダマンなど4作品を同時並行で仕事にしていたので、忙しかったから。「頭にツノでも立てて、色を赤くしておけばいいんじゃないの?」「パイプをはずして旧型にしよう」

参考文献:「GoodsPress」2017年10月号、『ガンダムの常識』双葉社、『機動戦士ガンダムの機密』猛獣舍など

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