楽乗(がくじょう)、軍神・楽毅の一族で、廉頗に次ぐ趙の大将軍【キングダム 漫画と史実の比較】




キングダム

漫画『キングダム』の楽乗

軍神・楽毅の一族で、廉頗(れんぱ)が趙三大天だった頃のナンバー2。20年間共に戦った廉頗を逆賊として追うが敗戦。

史実の楽乗

楽間との誼で、燕→趙へ

楽乗は長年燕に仕えた名将楽毅(がくき)の一族で、楽毅の子である楽間(がくかん)と親しい間柄にあった。

楽毅は、かつて斉を滅亡の瀬戸際まで追い詰めながら、反間の計にはめられ、趙へ亡命した関係上、楽間も誼の事情に通じていた。

燕王の喜(き)から趙攻めに関する意見を求められたときも、「趙は四方に

敵を受ける国でありまして、民は戦に慣れております。それを征伐するのは得策ではありません」と反対していた。

それでも燕王が趙攻めに踏み切り、敗退して楽乗が捕虜になると、親しい楽間はここぞとばかり、趙に亡命した。

廉頗との確執

以来、楽乗も趙王に仕える意志を固め、武嚢君(ぶじょうくん)に封じられる。

楽乗はその期待に応えるべく、廉頗とともに燕攻めに派遣され、燕の都を包囲し、有利な条件で和睦を結ぶことに成功した。

しかし、廉頗との関係はしっくりいかず、孝成王(こうせいおう)の崩御を受けて即位した悼裏王(とうじょうおう)が前線の大将を廉頗から楽乗に交代させる命令を発すると、廉頗は怒りの矛先を楽乗に向けた。

廉頗から思わぬ攻撃を受けた楽乗は敗北を喫する。以来、楽乗の名が『史記」に出てこないことから、深手を負って戦場への復帰がかなわなくなった可能性が高い。

参考:『キングダム公式ガイドブック覇道列紀』集英社、双葉社スーパームック『春秋戦国の英傑たち』

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