龐煖(ほうけん)、王騎や麃公と死闘を演じる趙国三大天【キングダム 漫画と史実の比較】




キングダム

漫画キングダムの龐煖

合従軍参加の理由と王騎

圧倒的武力を誇る超国三大天。荒ぶる神を宿した武神と称し、強者を倒すことを生き甲斐としている。

かつて敗北した王騎に奇しくも勝利したが、王騎の強さが何だったのか知るため合従軍に参加する。

麃公を討ち取る

合従軍では李牧の別働隊に加わり、大将として追撃に来た麃公(ひょうこう)と対峙。

麃公の腕を斬り落とし瀕死の状態に追いやる。首を刈ろうとする麃公の渾身の一撃を防ぐも左腕を折られた。

信との一騎討ち

蕞(さい)攻防戦の終盤で信と一騎打ちになった龐煖は、信を圧倒するが全ての力を振り絞った信の刃に力負けしてしまい、態勢を崩したところ胸を貫かれる。傷を負いながらも信と戦おうとするが、晋成常が止めに入り退却する。

史実の龐煖

司馬遷の『史記』では、龐煖の名は趙の悼裏王3(前242)年に初めて登場する。

大将となって燕を攻め、敵将劇辛を討ち取ったとあるのがそれで、この時点で大将ということは軍歴も長く、幾多の功績を重ねてきたに違いない。

趙は東北で燕、東で斉、南で西で秦、北で匈奴と境を接する関係上、常に外交と戦争をフル稼働させねばならず、頼れる武将が多いに越したことはない。

その分、歴史に名を残すにあたっての競争率も高く、大将クラスになって初めて可能だったのだろう。

悼裏王4年の秦攻めに際し、正面の函谷関で激戦が続いているなか、趙・楚・魏・燕4カ国の精鋭部隊を率いる役目を託されていることからも、当時における龐煖の評価がいかに高かったかをうかがうことができる。

このとき龐煖は蕞の城を攻めながら、陥落させることはできなかった。しかし、返す刀で連合軍に参加しなかった斉を攻め、饒安(じょうあん)攻略という戦果を挙げている。

参考:『キングダム公式ガイドブック覇道列紀』集英社、双葉社スーパームック『春秋戦国の英傑たち』

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