サッカー戦術初心者、日本人のサッカー観戦の弱点を知る!




サッカー
先ごろ行われたコパアメリカや、前半戦が終わったJリーグの試合などで、ぼくは、試合中にゲームに関するTwitterの意見を調べることがよくあります。
すると、そのツイートのほとんどが、個々の選手が良い悪いという点に集中していることに気がつきました。
もちろんそのような見方もひとつの楽しみ方かと思います。しかし、チーム全体の戦術も考えてみるともっともっと面白いはずなのに、それについてのつぶやきは数えるほどしかありません。
「戦術」というと難しそうに感じますか、僕が何冊か本を読んだ限りでわかって気になれる程度のものなので、思ったほど難しくないのかもしれません…。(実際はとても難しいものです。あくまで「わかるんじゃないの」と思える位わかりやすい解説書が出ているということでしょう)
なぜ日本人はサッカーを、チームではなく、個人の勝負として見てしまうのでしょうか?
もちろんこれは日本人に限らないかもしれませんが、日本人がそう見てしまうことにはどうやら理由があるようです。調べてまとめてみました。

1対1の勝負?

ご存知元日本代表ミッドフィルダーで、当代随一の解説者・戸田和幸氏によれば、
日本のスポーツ中継の歴史はプロ野球大相撲が築いてきました。
戸田氏もサッカー中継の試合前に「注目選手をあげてください」とばかり質問されることに困ったらしい。サッカーにはチームで、戦術で観戦する視点もあるからです。
なぜ選手個人に注目してしまうのか?
これは相撲や野球といった一対一の戦いによって勝負が決まることが多いスポーツに日本人が慣れすぎているせいです。
相撲は言うまでもなく一対一のガチンコのぶつかり合いです。野球もチームスポーツであるものの、ピッチャーとバッターとの1対1の勝負が中心になります。
しかしサッカーは1人の選手に注目するだけでは本当の魅力はわかりません。

布陣は変わらない?

著名なスポーツライター・杉山茂樹氏も、戸田氏と同じように、野球からの影響を指摘しています。
杉山氏が指摘するのは、布陣というか、システムというか、フォーメーションというか、ポジションに関する点です。
野球は9人の選手のポジションが初めから決まっています。
最近のメジャーリーグを見ていると、バッターの打球傾向を分析して、守備位置を変則的にしていたりもしていますが、基本的には守る位置は決まっています。例えば、外野を4人にすることはありません。
それに対してサッカーは試合ごとに、あるいは試合中に布陣も変わります。(ポジションチェンジも頻繁に行われます)
2019年コパアメリカに優勝したブラジルであれば、4-2-3-1 という布陣でゲームに入って、試合中に4-1-4-1に変化させたりしていました。
布陣(システム、フォーメーション)は十数種類に及ぶそうです。
野球はポジションが決まっているので改めてほどフォーメーションを考える必要があまりありません。
それに対してサッカーは考える必要があります。
日本人は野球の見方に慣れてしまっているので、布陣に対する感覚が薄いと言えるのではないでしょうか。

まとめ

まとめます。
日本人がサッカーをチームで見たり戦術で見ることが苦手な理由は、
①一対一の勝負が魅力であるスポーツを見慣れていること。
②ポジションが固定されたスポーツを見慣れていること。
この2つだと考えられます。
 
参考:『解説者の流儀』洋泉社、『4-2-3-1  サッカーを戦術から理解する』光文社新書
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