ついに降格圏間近に…イニエスタの「苦悩」と、ヴィッセル神戸不調の理由を考えてみた!




サッカー
Jリーグ第22節が終わり、ヴィッセル神戸は降格圏間際の15位になってしまいました。イニエスタ、ビジャ、ポドルスキー、山口蛍などの国内外のスター選手をそろえながらも、この成績…言うまでもなくかなり厳しい状況です。
第22節の大分戦では、温厚なイニエスタが感情的になる姿も見せており、チームがうまくいっていないことを表す象徴的な場面でした。
そこで、ぼくは戦術初心者ではありますが、わが街のクラブ「ヴィッセル神戸」がうまくいっていない理由について調べて考えてみました。
そのポイントはズバリ!アンドレ・イニエスタです。結論から申し上げると、ヴィッセル神戸において、イニエスタは、イニエスタ本来の最も輝ける役割を与えられていません。それ以上の役割を担わされているのです。

本来のイニエスタとは?

端的に言うと、イニエスタはいわゆる「ポジショナルプレー」の中で本来の力を発揮するプレイヤーです。
他の3〜4人の選手との、中盤での流れるようなポジションチェンジ。
バルサ伝統のトライアングルでパスを回しながら相手を翻弄していきます。
「受け手」と「出し手」は常に目まぐるしく入れ替わって、相手にボール奪取をさせません。それから隙を狙って相手の守備を崩します。
例えば、低い位置に下がった選手がパサーになり、高い位置にいる選手が飛び出す。または、センターフォワードの後ろから走り込む中盤の選手がスペースを狙い、ポジションを入れ替えた選手が裏にボールを蹴り込みます。
ここで重要な点は、誰かが中心ではないということです。1人の中心選手がコントロールしているわけではないのです。
3〜4人の選手で敵に的を絞らせず、守備を惑わせるスタイルの一翼を担ってきたのがイニエスタという選手なのです。バルセロナでも、スペイン代表でも…

現在のイニエスタ…

上記のような役割がイニエスタの最も輝けるスタイルだと考えられますが、現在のヴィッセル神戸ではそうではありません。
本来、イニエスタは、相手に対するリアクションをとる技術が極めて高く、それによってボールを巧みに運んでいきます。ハーフスペースを有効に使う選手であり、セルヒオ・ブスケツのような選手からパスをもらい、シャビ・エルナンデスのような選手とのコンビネーションで相手守備陣を切り崩していくようなドリブラーなんです。そしてポジションは右利きであるため、基本的には左サイドでプレーしてきました。
しかし現在のイニエスタは、中央のトップ下に入ることも多く、チームの中心としてゲームを組み立てることを求められています。これはイニエスタ本来の役割ではありませんし、イニエスタが1人でやるべきことでもありません。
神戸には、トップにウェリントン、中盤に山口蛍やサンペールなど優秀な選手はいますが、上記のような意味でイニエスタのパートナーにはなりきれていないような気がします。
例えば、サンペールはよく走っており、実際にデータでも走行距離がチーム一番である試合もあります。しかしポジショニングがベストではないと思います。
第22節から神戸には元バルサで現役ベルギー代表のDFトーマス・フェルマーレンが加わりましたが、本来とるべきはディフェンダーではないような気がします。イニエスタの負担を減らすような選手の獲得を目指し、彼が本来のドリブラーとしてのプレーを遺憾なく発揮できるような環境をととのえるべきではないでしょうか。
参考:『サッカー好きほど知らない戦術の常識』カンゼン、『ポジショナルプレーのすべて』ソル・メディアなど
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