演義の闞沢
呉の将。字は徳潤。会稽郡山陰県の人。孫権の招きに応じてその補佐をした。
貧しい家の出身で勤勉、しかも弁が立ち剛胆という人物で、黄蓋とはもっとも親しかった。
また、学問が好きで働きながら本を読み、一度読んだことは忘れなかった。
曹操軍との戦いを控え、大都督・周瑜と黄蓋がとった「苦肉の計」を見抜き、黄蓋に協力を申しでる。
黄蓋に見こまれ、投降の申し入れの手紙を曹操に届ける使者に立った。
曹操はこれが「苦肉の計」と見破るが、闞沢はうまくいいぬけて、見事曹操を騙した。
また、黄蓋、甘寧と協力して、魏のスパイの蔡中、蔡和をもあざむき、作戦を無事成功させた。
時代は移り、関羽と張飛の仇討ちの劉備軍が呉に殺到した。このとき闞沢は孫権に対し、周瑜、魯粛、呂蒙の後継者として、陸遜を鎮西将軍に強力に推挙した。
正史の闞沢
孫権に招かれて出仕し、孫権が帝位についてからは尚書、後に中書令となった。
貧しい家の出で、謙虚で実直な性格の上、 博識で見聞が広かった。
虞翻は闞沢の豊かな知識と徳を賞讃していた。孫権の子・孫和に書物や稽古ごとなどを教え、後に太子太博となった。
