来月にはセリエAの新シーズン開幕です。8連覇中のユベントスの新監督、マウリツィオ・サッリ、注目ですね。そこでサッリ監督について、予習がてら調べてまとめてみました。
サッリのスタイル
端的に言うと、ボールとエリアを支配してゲームの主導権を握る攻撃的なスタイルです。
ボールを前へ前へ敵陣へと運んでいくためにはどうするか?ということを追求します。
そのためには、パスの質を上げ、受ける選手のサポートも的確でなければなりません。
パススピードが、グラウディオラやエンリケのチームと同様に、速いことはサッリのチームの特長です。パススピードが速ければ速いほど、敵がボールの動きに対応して陣形を修正する時間を削ることができるからです。敵のプレスをするラインを超えるチャンスをより多く作ることができます。
このように、ワンタッチ、ツータッチでパスを前後に素早く繋いでビルドアップしながらボールを敵陣に運び、そこから細かいコンビネーションで敵最終ラインの裏を突くシステマティックなポゼッションサッカーを展開するのです。
前述のようにマンチェスター・シティのグラウディオラ監督に似ている。ちなみに、Jリーグのヴィッセル神戸がシーズン当初、リージョ監督によって目指していた、いわゆる「バルサ化」もこれでしょう。
ただし、こういったサッカーを志向するサッリのチームには、戦術的な約束が多く、選手には自由な発想よりも厳格なタスクの遂行を求められます。この点はアッレグリ前監督との違いとも言えるでしょう。サッリ自身も認めているとおり、合理的な元銀行員らしいサッカーです。
エンポリやナポリ時代は、選手がサッリの要求に応え、緻密な連携による組織的なメカニズムが十分に機能していたがゆえに成功していました。
つまり、サッリが成功するかどうかは、自らのサッカー観や戦術をユベントスにどれだけ浸透させることができるかということになるでしょう。
サッリのフォーメーション
原則として4-3-3の攻撃的なサッカーです。
守備
完全ゾーンディフェンス(常にボールを基準を置き敵をマークしない)の4バック。チームの守備はハイプレス重視です。
中盤
アンカーを置いた中盤は3人。サッリのサッカーには中盤の底から攻撃を操るゲームメーカーが不可欠です。例えば、バルサのブスケッツ、シティのD.シルバのような選手ですね。
したがって、少しタイプは異なりますが、噂される、(正確かつシンプルなパスワークでリズムをつくる)ポグバの復帰は必要かも…
前線
2トップ+トップ下、あるいは1トップ+2トップ下です。いずれにせよ、クリロナは左サイドを中心に自由に動くとは思いますが…
以上、ユベントス新監督マウリツィオ・サッリの戦術についてでした。
ユベントスでもナポリ時代のような美しいパスサッカーが展開されるのだろうか、セリエA開幕が待ち遠しいです。
参考:サッカーダイジェスト2019年7月4日号、7月18日号、8月1日号、『世界のサッカー名将のイラスト戦術ガイド』エクスナレッジ、『モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー』ソル・メディア、『UEFAチャンピオンズリーグ2018-2019最新戦術論』洋泉社MOOK