ベルギーのクラブ・ブルッヘ(クラブ・ブルージュ)のチャンピオンズリーグ第2節レアル・マドリード戦。
惜しくもアウェイのサンティアゴ・ベルナベウでの勝ち点3はならなかったものの、その実力を証明するドローで、たいへん魅力的なチームでした。そこで、この機会に、このクラブについて調べてまとめておこうと思います。
基本のき
CLUB BRUGGE
創立 1891年
会長 バルト・フェルハーゲ
ホームタウン ブルージュ(人口:11万8,300人)
スタジアム ヤン・ブレイデル(29,062人収容)
獲得タイトル 国内リーグ15
名門の理由
ベルギーの名門です。以下、名門たる所以を列挙します。
1891年に設立。現存する国内クラブではアントワープに次いで2番目に古い歴史を持っています。
国内リーグ優勝回数 15回はアンデルレヒトに次ぐ2番目。ベルギーカップでは最多となる15回の優勝。これらのことから、スタンダールを含めて、ベルギー3強の一角を占めます。
ヨーロッパの舞台では、ベルギー勢としては唯一UEFA杯のファイナルに進んだ経験 (75/76季にリヴァプールに敗れた)があります。前身のUEFA杯を含み20季連続EL本大会出場は欧州記録となっています(1996年~2016年)。
2018-2019、2019-2020シーズンという2季連続でのCL出場。
ベルギー版「ミラノダービー」
元鹿島アントラーズのDF植田直道が所属するサークル・ブルージュとはスタジアムを共同で使用しており、両チームの対戦はまさにダービーです。「ミラノダービー」のベルギー版ですね。
また、ヘントとの対戦は地域間ダービーと呼ばれ、アンデルレヒトとの対戦はナショナルダービーに位置付けられています。
なぜ熊のマスコット?
クラブのマスコットは熊で、初代フランドル伯爵が若いころに熊を倒したという伝説に由来しています。
2000年に2頭となり、そして2010年には3頭目が加わりました。
監督は若き名将
Philippe CLEMENT
フィリップ・クレメント(クレモン、クレマン)
国籍 ベルギー
生年月日 1974年3月22日
在任1年目(2019年7月~)
ワースラントベフェレンでは森岡 亮太、ヘンクでは伊東 純也を指導。外国人選手を含め、選手との付き合いを心得ており、各選手の力を最大限に引き出します。
相手の弱点を突くのも上手い指揮官で、攻撃的なサッカーを植え付け、2018-2019シーズン、ヘンクを8季ぶりのリーグ制覇に導き、最優秀監督賞を受賞。
2019-2020シーズン、指導者キャリアをスタートさせたクラブ・ブルッヘに復帰しました。
注目選手
充実の陣容を揃え、ベルギーリーグでは、前評判で昨季王者ヘンクを上回り、優勝候補の筆頭です。
守備
新シーズンをむかえるにあたって不安視されていましたが、新戦力のデリが期待以上の働きぶりを見せ、最終ラインに穴を開けずに済んでいます。
また、近年チームのアキレス腱であったGKの人材不足は、リバプールからミニョレ獲得で解決しました。
Simon MIGNOLET
シモン・ミニョレ
ベルギー代表
1988年3月6日
193cm/88kg
観客席まで響く大声で味方を鼓舞し、チームの雰囲気を引き締める守護神。
シントトロイデンのアカデミー出身。プレミアリーグでは、サンダーランド、リヴァプールで活躍したが、2018-2019シーズンはカップ戦のみのプレーに。2019-2020シーズン、10季ぶりにベルギーに復帰。
中盤
昨季に引き続き、リッツ、ファナケン、フォルメルの中盤トリオが健在。
Ruud VORMER
ルート フォルメル(フォルマー)
オランダ代表(4試合/0得点)
1988年5月11日
178cm/76kg
昨季38試合/6得点
調子の波の少ない安定したパフォーマンスで、前線を巧みに操ります。右足のクロスは絶品。
また「守備でも重要なプレーヤー」と指揮官が絶大な信頼を置くキャプテン。運動量を武器にビルドアップを担うチームの大黒柱です。
もともとは18歳でファンハール監督に抜擢されAZでトップデビューを果たしました。フェイエノールトから加入して6年目。2017年にはベルギーリーグのゴールデンシューを受賞しました。
前線
オケレケとタウの新加入コンビが開幕から大活躍しています。二人はともに突破力と得点力を兼備しています。
David OKEREKE
デイビッド・オケレケ
ナイジェリア
1997年8月29日
182cm/75kg
昨季31試合・10得点(セリエB・スペツィア)
今夏にクラブ最高額となる2500万ユーロでアストンヴィラに移籍したウェズレイの後任として、800万ユーロ(クラブ史上最高額)で獲得しました。
スピードに乗ったドリブルから、強烈かつ正確なシュートを放ちます。セリエB時代にはディナターレからシュートの個別指導を受けました。
クラブの、そしてサポーターの期待通り、開幕からゴールを量産。味方へのスペースメークなど献身性も見逃せません。
Percy TAU
パーシー・タウ
南アフリカ代表(16試合/9得点)
1995年5月13日
177cm/69kg
昨季23試合・5得点(ベルギー2部・サンジロワズ)
俊敏な動きとスピードが売りです。それに加えて運動量にも優れ、DF泣かせのウイングです。また、左足のキックの種類も豊富です。
ゴール後は、ダンスでファンと喜びを分かち合います。昨季はベルギー2部の年間最優秀選手に選ばれました。
Emmanuel DENNIS
エマニュエル・デニス
ナイジェリア
1997年11月15日
175cm/67kg
昨季26試合・7得点
スピードに加えて上半身が鍛え抜かれており、競り合いに強いウインガー。
ウクライナのゾリャ・ルハンスクーから加入して3年目です。
参考:『EUROPE SOCCER TODAYシーズン開幕号 2019ー2020 』『Number PLUS 欧州蹴球名鑑2019-2020』など