ネガティブ トランジションとは?とにかく時間を稼げ!【アンチェロッティ監督の定義】




サッカー

現ナポリ監督のアンチェロッティが、かつて著書で「ネガティブ・トランジション」について説明していたので、それを参考にネガティブ・トランジションを成功させるポイントなどをまとめておきます。

最大のポイントは?

ポジティブ・トランジションのテーマが、ボールを奪ってからいかに素早く攻撃に転じるかにあるとすれば、「攻」から「守」への切り替えはネガティブ・トランジションのテーマは何でしょう?

その最大のポイントは、いかに相手の攻撃を遅らせるかにあると言えます。

すぐにボール奪回してはいけない?

ボールを失った瞬間にチームがやるべきことは、迅速に守備陣形を整えて、ボールを奪回する条件を整えることです。

ボールのラインよりも後ろにいる選手は、ボールホルダーにプレッシャーをかけ、それと連携してパスコースを消すポジションを取るなどして、敵にカウンターのチャンスを与えずに攻撃を遅らせるよう努めるべきです。また、ボールのラインよりも前にいる選手は、速やかに帰陣して守備陣形に加わるべきです。

ボールを組織的に奪回するための戦術であるプレッシングを発動するのは、ボールのラインよりも後ろに十分な人数を確保し、守備陣形が整ってからの話です。

それが整わないうちに積極的にボールを奪いに行くというのは、自殺行為に近いと言えます。1人かわされた時点ですでに決定的な数的不利に陥ることになるからです。

つまり、まずは敵の攻撃を遅らせながら守備陣形を整え、整ったところでプレッシングによる奪回に転じるというのが順序です。

ボールを失う前に予防策を!

ボールを失った時にカウンターのチャンスを与えず、相手の攻撃を遅らせる上で重要なポイントのひとつが、ボールを失う前、攻撃の局面において、ボールのラインよりも後ろにいるプレーヤーが正しいポジションを取っていること。

具体的には、ボールのラインよりも手前にいる敵の選手をマークし、ボールを失った時にフリーになるのを防ぐことです。味方が攻撃しているこの段階では、ラインやポジションを保つことに注意する必要はありません。

大事なのは、チームと共に押し上げ、敵のアタッカーをしっかりマークすることです。

ボールを失った直後に、相手にカウンターを許さず、攻撃を遅らせながら守備陣形を整える時間を確保することができれば、ネガティブ・トランジションは成功したということができるでしょう。

それに続くボール奪取のための守備戦術がプレッシングということになります。

参考:『アンチェロッティの戦術ノート』河出書房新社

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