イングランドプレミアリーグ第13節シェフィールドユナイテッドVSマンチェスターユナイテッド、好ゲームでしたね。
シェフィールドが2点を先制しゲームを支配していたかと思いきや、ムセの負傷退場をきっかけに流れが変わり、マンチェスターユナイテッドが逆転…普通の中下位のチームならばここでチェックアウトです。
しかしここからが今年のシェフィールドもすごいところで、なんと追いつきました結果3対3の同点。またもやビック6(もはや死後か)の一角から勝ち点を取りました。
またまたシェフィールドが素晴らしかったので、この機会にチームの特徴とワイルダー監督の戦術について少しだけ書いておこうと思います。
飛ぶ鳥を落とす勢いで昇格
ワイルダー監督の下、実質3部からトントン拍子に階段を駆け上がり、3年でプレミアリーグに到達。11年ぶりの昇格。
昨シーズンの2部での得失点差+37は、優勝したノーリッジを上回るリーグのベストで、46試合で41失点はリーグ最少。
ペップもクロップも抑えて最優秀監督
クリス・ワイルダー
Chris WILDER
イングランド
1967年9月23日生まれ
2016年5月~に就任
選手としてもクラブに所属し、筋金入りのシェフィールドファンで思いは熱い監督です。ペップやクロップも抑えて、「リーグ監督協会」の、イングランドの下部含めたプロリーグの監督が選ぶ、昨季の年間最優秀監督。
モットーは謙虚さを失わないこと。プレミアリーグまでたどり着いたが、「謙虚さ(humble)を失ってしまえばすぐに結果もついてこなくなるんだ」と述べています。例えば、プレミアリーグ監督にもかかわらず、練習場へはバス通勤をしているそうです。
基本システムは3-5-2。ポゼッションサッカーを志向。
3バックでバランスよく機能させると同時に、その3バックがワイドに開きながら全体をグッとラインを押し上げ、CBも機を見て攻撃に参加する積極果敢で攻撃的なサッカーを貫きます。
最終ラインにもボールを持てるタイプをそろえ、「簡単に相手にボールを譲り過ぎると自滅してしまうからね」と、ロングボールは極力蹴りません。
後ろからビルドアップすることから、前線の2トップには、ポストプレーが得意なタイプよりもスピード型を並べて、裏抜けでゴールを目指します。とてもメリハリのあるプレースタイルです。
また、相手を揺さぶりサイドから崩すことも得意です。中盤の選手が最終ラインから巧みにパスを引き出し、その間にウイングバックが高い位置へ進出するのです。
センターバックも果敢にオーバーラップする独特な戦術は、今季プレミアでも旋風を巻き起こしています。
大胆な戦術にも関わらず、攻守のバランスを崩さないのは、メンバーがほぼ固定されいることと相まって、チームの組織的な完成度の高さの証拠でしょう。
市場価値最下位クラブですが、チームとしての心技体が充実していますね。
参考:『2019-2020欧州蹴球名鑑』文藝春秋、『2019-2020EUROPE SOCCER TODAYシーズン開幕号』日本スポーツ企画出版社、『2019-2020EUROPE SOCCER PRAYERS GUIDE』エス・アイ・ジェイ、DAZN「FOOTBALL FREAKS #14」など