【基本の「き」】モウリーニョの戦術!もはや時代遅れ?!トッテナムもユナイテッドと同じ〝病〟か…【パンデミックの合間に…】




サッカー

新型コロナウイルスのおかげで🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿プレミアリーグもJリーグもなくなり、はやく収束して再開される日を心待ちにしております。

とはいえ、ただ試合を待っていても仕方がないので、この機会を利用して世界の名将の戦術について、基本の「き」から復習しておきたいと思います。初回のペップに続く第2回目はジョゼ・モウリーニョです。

ジョゼ・モウリーニョは、マンチェスターユナイテッド解任で在野に下ってから長すぎる冬眠を経て、201911月トッテナム・スパーの監督として再び檜舞台に戻ってきました。

しかし、就任直後こそ勢いがあったものの、現在、反転攻勢と言えるほどの成果は挙げておらず、かつてユナイテッドを解任された時と同じようになっている気さえします。

モウリーニョの戦術を基本の「き」からふれることで、そのあたりの、イマイチ上手くいかない共通点を探っていきたいと思います。

また行き詰まってきた≒ユナイテッド

かつてのユナイテッドと同様、モウリーニョはトッテナムを復活させられずにいます。怪我人が多いのは同情されるべきですが、どの監督でもどのチームでもそんな苦境を乗り越えますし、スペシャル・ワンならば、なおさら

さて、さらに、チーム躍進の兆しや戦術の革新性といったポジティブな要素といった材料もあまりありません。スパーズは不安定なままです。

昨季2018-2019準優勝のチャンピオンズリーグは、今季2019-2020はラウンド16敗退、プレミアリーグではシェフィールド・ユナイテッドの後塵を拝す8位に沈んでいます。

「賞味期限」が切れたのか?

モウリーニョは、近年のモウリーニョはいずれのクラブでも3シーズン目に差し掛かった時点で、なんらかのトラブルを抱えるパターンを繰り返しています。

しかし、今回はまだシーズン途中でのバトンタッチに過ぎません。契約期間中の「賞味期限」切れは今までもありました。

しかし今回はモウリーニョという監督自体が「賞味期限」切れのような気さえしてきます決してそうなってほしいわけではありませんが

選手メンタルへの訴えの不具合

もともとモウリーニョは、ライバルクラブやリーグの運営機構、審判団、そしてメディアを「仮想敵」に仕立て上げることでチームの結束と自身の求心力を高め、ビッグタイトルへ邁進してきました。

トロフィーに飢えた選手達は、そのようなラディカルな手法によって勝ち星を重ねていったのです。

しかし、時間が経てば、チーム内の張り詰めた空気は綻んでいくし、トッテナムは昨季クラブ史上最高の成績を収め、タイトルこそなかったものの、達成感はあったのではないでしょうか。

つまりモウリーニョがやってきた、選手のメンタル面に訴えかける戦略がもはや通用しなくなっているのです。

飽きられてきた勝利史上主義

モウリーニョの、ニヒリスティックなまでに勝利にこだわる手法には、常に批判がつきまとってきたのも事実です。

その際には、よく知ららているように、強敵に対して過度に守備的なスタイルをとってきました。

僕もブログ記事で詳しく書きましたが、インテル時代、CLでのバルサと対戦した際には、ゴール前に🚌バス🚌を停めると評された戦術で物議を醸しました。

レアル時代もグアルディオラと対戦した際には、なりふり構わず相手を潰していくプレーを選手に求めました。

そんな退屈なサッカーは、ポチェッティーノ元監督の攻撃的で魅力にあふれるサッカーとは対極です。

古い方の「堅守速攻」

もちろん近年、ヨーロッパサッカーの戦術は、カウンターとポゼッションの間で揺れ動くなかで、ボール支配率からカウンター狙いに戦術のトレンドは向かっています。

しかし、それはかつてのモウリーニョの「堅守速攻」とは似て非なるものです。

ゴール前にバスを停める方法ではなく、ない。ユルゲン・クロップ(リヴァプール)のゲーゲン・プレスに象徴されるような、前線からアグレッシブにプレスをかけボールを奪い返し、すぐさまチャンスを創り出す発想、そんな堅守速攻です。

モウリーニョは、同じカウンターを基盤にしたサッカーでも、ディフェンスラインを深く設定する手法に固執して過ぎているのです。

(確かに19/20CLではアトレティコのシメオネがこの深い守備ラインで無敵のリヴァプールをチャンピオンズリーグから葬り去りましたが、全体の流れとしては、)モウリーニョのそれは時代の趨勢から取り残された印象を与えてしまいます。

今日のサッカー界では、もはや引いて守るだけでは守りきれなくなりました。アグレッシブな攻撃を展開することによって、初めて効果的な守備を構築できるレベルまで戦術が進化したためです。

崇高>美 というサッカー

いずれにせよ、戦術マニアの間では、戦術家としてのモウリーニョの存在感を失われつつあります。

モウリーニョが守備的なサッカーを実践してきたのは、水も漏らさぬディフェンスラインに美学を見出しているからでも、カウンターに快感を覚えるからでもありません。美を求めていないのです。

ゴール前を固めることが失点を防ぎ、勝利という究極の目標を達成する最適解だと、 ひたすら信じ続けてきたからでした。崇高=勝利と求めてきたのです。

モウリーニョ2.0はあるのか?

残念ながら今のモウリーニョには、かつてのようなスペシャルなオーラはありません。カリスマ性を取り戻そうとするなら、モウリーニョは自らの根本的なサッカー哲学を見直さなければならないでしょう。

まとめのかえて…モウリーニョのゲームモデル

堅守速攻が代名詞。

分厚い壁を築いて手堅く守り、そこから一気に逆襲へ転じます。

前線に屈強のターゲットとなるフォワードを据えて、両翼には縦に素早くボールを運んでいけるウイングを重用。

肝心の堅守を担う最終ラインに信頼できる大駒を置くが、ボールの回収地点が下がって反撃しにくい弱みがあります。遅攻を強いられるのです。

参考:「ワールドサッカーダイジェスト」2020.3.5、洋泉社MOOKUEFAチャンピオンズリーグ2018-2019最新戦術論』など

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