「機動戦士」とは?武者ガンダムは正統進化であった理由…



意味は?

「モビルスーツ」の和訳名。「スーツ」は、よく知られているのように。ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』の「パワード・スーツ(強化服)」からのパラフレーズである。(「パワード・スーツ」は鎧と訳してもよさそうだが、この関連については後述)

和訳「機動」の由来は、警察の「機動」隊だと考えられる。例えば、ガンダムが持つ盾は機動隊の盾を思わせる。実は「機動警察パトレイバー」の「機動」とほぼ同じ意味ということになる。

ガンダムの本放送が始まったの1979年4月。すでに学生運動の記憶は遠のいていたが、その時代を生きていた人には1968年を最高潮とした、その当時のテレビ映像が強く残っていただろう。「機動」という言葉に盾でガードしながら警棒を振り上げる機動隊のイメージが、言われてみれば重なる人も多いのではないか。

ちなみに富野由悠季が日本大学芸術学部に入学するのは1960年、いわゆる60年安保の年であるが、学生運動からは離れていたらしい。

ハインラインが『宇宙の戦士』に反共産主義思想を盛り込んだと言われているが、ガンダムのモビルスーツは、その意味でも「正しい」翻案だったのかもしれない。

ガンダムは足軽?

サンライズ(当時は「日本サンライズ」)は、ガンダムの放送時間帯に、ガンダム以前に「無敵超人ザンボット3」「無敵鋼人ダイターン3」を制作していた。これらの作品のロボットのデザインモチーフは戦国武者だった。特に大きく特徴的な兜は、ガンダム以降のロボットのアニメのイメージソースとして受け継がれていった。

さてガンダムに戦国武将のイメージがあるかというと、言われてみればといった程度だ。ただし、頭頂部のメインカメラの突起物は、なんとチョンマゲをイメージしているらしい。とはいえ、いかめしい兜をかぶっていないことになり、あまり地位が高くない武士のイメージがガンダムと言えるだろう。

ちなみにモブの戦士という意味では、ジムの方がしっくりくる。ガンダムをベースにダウングレードされたのがジムだ。ガンダムとの最も大きな違いは、装甲材質だ。ガンダムのルナ・チタニウム合金からチタン合金になったのだ。また武装の面でも、ガンダムのビーム・ライフルからブーム・スプレーガンになっている。そして何よりジムの頭頂部には、チョンマゲらしきものはあるが、V字アンテナがなく鎧っぽいくはない。

ガンダムがさしあたって正式な戦闘員と位置付けられる下級武士「足軽」であるとすれば、その量産型であるジムは金銭で雇われた、武士ともいえない雑兵であろうか…

ただしジムの名誉のために付け加えておきたい。ジムが弱いだけかいというと、そうではない面ももっている。例えば、ビームサーベルはご存知のように1本しかないが、その性能はガンダムと同等である。実際に映画版ではそのビーム・サーベルでリック・ドムを一刀両断するシーンがあったのを思い出してほしい。

(参考文献:『ガンダムの常識』双葉社、『機動戦士ガンダム戦の機密』猛獣舍)



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