1980年7月バンダイがガンダムのプラモデルを発売した。箱には1/144というスケール表記があった。なぜ144分の1なのか?
当時のロボット・プラモデルのセオリー
通常版と廉価版との2ラインで展開していた。そのうち廉価版は、全高13センチ価格300円で統一されていた。
ガンダムの設定に当てはめると…
ガンダムの設定全高は18mなので、その13㎝を当てはめると、偶然だが、およそ1/144になった。
当時の、主に航空機などのスケールモデルに用いられてきた国際的なスケールが1/144だった。戦車や軍用機、軍艦をなるべく忠実に縮小して再現したスケールモデルが人気だったのだ。ミリタリー的なリアリティである。
これはガンプラにとって好都合であった。ガンダムという架空のロボットが実在しているかのようなリアリティを獲得することができたのだ。ちなみに通常版の1/100も模型のスケールとして標準的なものだった。
ガンダムのプラモデルは、番組終了から半年経った後にもかかわらず、発売後6ヶ月で100万個を突破するヒット商品になった。
1/1スケールが栃木に
現在、おもちゃのまちバンダイミュージアム(栃木県壬生町)には、1/1つまり実物大のガンダムの胸像(全高5.6m)がある。
(参考文献:「サンデー毎日」2015年11/1号、『ガンダムの常識』双葉社、早稲田大学ガンダム研究会『機動戦士ガンダム戦の機密』猛獣舍など)