相棒ガンキャノンの役割と、ガンタンクの「弱さ」




ガンダム

モビルスーツの分け方

白兵戦を主体とするモビルスーツは、ガンダム、ジム、グフなど(シールドで装備が特徴)が代表的。白兵戦とは、かつては刀剣や槍など、現代では銃による、近距離の銃撃戦・肉弾戦である。

中距離戦を主体とするモビルスールは、ガンキャノン、ガンタンク、ドムなど(重装甲が特徴)が代表的。中距離戦とは、白兵戦の後ろで援護射撃を行う戦闘方法である。

ガンダムの相棒としてのガンキャノン

RX‐77ガンキャノンは、地球連邦の総力を挙げた開発計画「V作戦」で2番目に開発された、中距離支援用のモビルスーツ。ガンダムよりも大型で射程距離が長い、狙撃用ビーム・ライフルで遠距離から射撃可能である。

また両肩には炸裂式低反動240ミリキャノン砲を装備。近距離戦を得意とするガンダムとコンビを組んでこそ真価を発揮できるモビルスーツである。ジムとボールとの関係に近い。

ちなみにガンキャノンは3機ある。劇場版Ⅲ『めぐりあい宇宙編』ではハヤトもガンキャノンに搭乗している。識別ナンバーもあって、カイのガンキャノンは「108」。ハヤトのは「109」である。ハヤトはガンタンクのパイロットだが、宇宙空間でガンタンクは使いものにならない。そもそもガンタンクには、後述するように、ビーム砲がないのだ。

さて映画の後半、宇宙要塞ア・バオア・クーの激戦シーンではガンキャノンが3機飛んでいる。3機目の識別ナンバーは「203」だった。

ガンタンクは弱い?

RX‐75ガンタンクは、「V作戦」で最初につくられた兵器。「タンク」という名前の通り、はじめは大型戦車だったが、のちに設計変更されモビルスーツっぽく改造された。

ビーム兵器はなく、武装は、肩に120ミリ低反動キャノン砲、腕に4連ボップ・ミサイル・ランチャーがメインである。キャノン砲はガンキャノンのものよりも口径は小さいが長砲身で射程距離が長く、最大射程は260キロである。

ガンタンクは、近距離戦をやれないことはないガンタンクとは異なり(実際、劇中ではアムロが操縦してザクを戦闘不能にしている)、中距離戦以外はできない。白兵戦で「弱い」のは当然で、本来はガンダムを後方から援護する役割を目的としていたのだ。

火力は強力なのだが、ロケット推進出力が弱く、速力・機動性が極めて低いのだ。劇中では33回出撃し、6回破壊されている。

もともとガンタンクは2人乗りだった。腹部のコア・ファイターにパイロット、頭部にガンナー(砲手)である。しかし、リュウ・ホセイの死により、パイロット不足のホワイト・ベースには代わりがいなかった。そこでマチルダ中尉配下の補給部隊技師によって、ガンナー・コックピットからハヤトが一人で操縦できるように改造された。

(参考文献:『ガンダムの常識』双葉社、『機動戦士ガンダム戦の機密』猛獣舍)

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