チャンピオンズリーグ2019-2020、ラウンド16第1戦ドルトムントvsパリサンジェルマン…ハーランドの2得点、素晴らしかったですね。
194センチという身長ばかりが言及されますが、ハーランドは何がすごいのか?そこからわかるのは、彼が良いフォワードとして重要な3つの基本を、非常に高いレベルで併せ持ってるプレーヤーだということです。
フォワードとは?
FWというのは、良いか?悪いか?判別するのが最も簡単なポジションです。フォワードは、ゴールを決められるがが、ほぼ全てだからです。
たった3つの仕事
そのためにFWがする仕事も3つしかありません。
・枠内に正確なシュートを打つ。
・ゴール前でボールをキープする (ポストプレー)。
・守備時に相手にプレスをかける。
PSG戦を観戦するだけでも、ハーランドが、この3つのタスクを確実にこなしていたのがわかるでしょう。
得点力があるFWの条件①背中をとれる!
味方からクロスポールが来るとき、たとえ身長194㎝のストライカーでも、何の工夫もなしにゴール前に飛び込んだら、決定的なシュートを放つのは難しいでしょう。

そこでするべき「工夫」の一つが、ディフェンダーの背中をとる動きです。つまり、まずはDFの視界の中にいて、突然、背中側に回り込むという動きです。
「背中をとる」とは?
自分のチームがサイド攻撃をしかけたとき、相手DFは基本的にクロスを見ることに集中しているので、視野の外に出ていく選手には対応が遅れる傾向があります。
そこで相手DFの背後に回ってしまえば、質の高いクロスが上がってくれば、FWはマークに邪魔されずに、フリーでボールをもらうことができます。
パスをもらう直前に、マークしている相手の背中側にすっと移動して、パスを受けるのです。

ハーランドは、ザルツブルク時代から、ボックス内も含めての、この背中をとる動きを得意としていますね。
ファーサイドの死角
また、DFの死角となるファーポストに走り込むというのも、「背中をとる動き」と言えるでしょう。特に速い試合展開になると、ディフェンスの背後が疎かになる瞬間が出てくるので、嗅覚をもったストライカーは、その一瞬を見逃さないのです。
得点力があるFWの条件②反転シュートが打てる!
先ずタメを作る
前述のように、FWの大切な仕事のひとつに、前線で体を張ってボールをキープすることがあります。
相手DFを背中でブロックして、ボールを足元からとられないようにする、いわゆるポストプレーです。

いわゆる〝タメを作る〟で、もしボールをキープできれば、味方が攻め上がってくる時間が生まれ、よりの人数で攻められるようになります。
そして反転シュート!
そして、良いフォワードならば、ボールをキープしたうえで、ぐいっと反転して前を向くことができます。
反転に成功すれば、もうゴールは目の前ですから、シュートを打つことができます。

PSG戦のハーランドは、先制点につながるポストプレーをしていましたね。あれが反転シュートにつながり、さらに得点を重ねていくことは想像するに難くありません。
ちなみにハーランドは両足とも正確なシュートを打てるので、ほぼ両足利きというのも、反転力を活かせる武器でしょう。
柔も剛も兼ね備えたストライカー
ハーランドは、「背中をとれる」テクニックと、「ポストプレーができ、かつ反転できる」パワーを兼ね備えた、お手本のようなストライカーと言えるでしょう。
参考:『サッカーの見方は一日で変えられる』東洋経済新報社など