汗明(かんめい)、圧倒的武力を誇る楚の大将軍!合従軍では総大将で蒙武と死闘【キングダムと史実のちがい】




キングダム

キングダムの汗明

圧倒的武力を誇る楚の大巨人で大将軍。合従軍では楚軍の総大将を務める。巨大な体躯(たいく)と生まれ持った武の才で敵国を攻め、各国からはその強さを恐れられるほどの傑物。

初陣から全戦全勝しており、かつて楚に侵攻してきた秦国六将のひとり王齕(おうこつ)をも撃退した経歴を持つ。秦の蒙武との壮絶な一騎打ちで戦死。

中華最強決定戦

五千の兵とともに汗明のもとへ向かう蒙武。途中、汗明並みの巨躯を誇る巨暴騎兵団とぶつかり、兵数を二千程度に減らしながらも汗明と相対する。

中華最強を自負する猛将である両者の戦い は、汗明優勢で進行する。やがて互い の身を削りあう死闘の末、蒙武が大錘(だいすい。柄の先端に金属製の球状の錘=おもりの取り付けられた武器)で汗明を叩き潰して決着。

秦国六大将軍を撃退した過去

若い頃から負けなしだった汗明。楚に侵略してきた秦の六将の王齕を撃退した過去があるという。

汗明「王齕は第一陣の俺にあっさり敗れて、手ひどく傷を負い、秦領地に逃げ去ったのだ」

怪力豪将で名を馳せていた王齕はその敗北について国内では口外を禁じた模様。

史実の汗明

実は戦場に行った記録なし。

汗明の名は「史記』には見られず、「戦国策」の一話に登場するのみである。

それによれば、汗明は遊説家(ゆうぜいか。意見や主張を説いて歩く人物)で、楚の春申君にまみえようとしたが、なかなか適わず、待つこと3カ月にしてようやく面談にこぎつけた。

汗明は熱弁を振るったが、春申君は大いに喜ぶ様子を見せながら、「もう先生という方(かた)がわかった。ゆっくり休憩されるよい」という遠回りな断りの言葉を発した。

そこで汗明が食い下がり、賢人について熱弁を振るうと、春申君は態度を改め、汗明を食客の列に加え、5日ごとに会見の場を設けるよう取り計らわせた。

汗明はようやく目利きに出会えたと喜びをあらわにするが、その後、汗明の進言が採用された様子はなく、どの史書にも彼の名を見出すことができない。

春申君の暗殺後、その一族が残らず粛清されていることから、彼の抱えていた食客数千人も徒刑か流刑やら何らかの刑を処せられたはずで、汗明もそれまで存命であったならば、刑を免れなかったに違いない。

つまり漫画「キングダム」では、楚の将軍として活躍するが、実際は、武将でさえなく、遊説家であり、戦場で戦った記録はない。

参考:『キングダム公式ガイドブック覇道列紀』集英社、双葉社スーパームック『春秋戦国の英傑たち』など

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