実在の人物だった!羌瘣(きょうかい)について検証【漫画キングダム】




キングダム

羌瘣(きょうかい)生没年不詳。始皇帝に仕えた将軍。

史記の羌瘣

『史記』の秦始皇本紀にのみ現れる謎多き人。趙討伐戦で名をあげた。

前228年の燕討伐戦で中山(河北省)に駐屯したことを最後に消息がわからなくなる。

羌瘣の名は「始皇本紀」の秦王政時代に登場する。

楊端和とともに趙討伐に派遣され、羌かいは現在の山西省 北部にあたる代の地域を受け持った。

年をまたいで趙全土の平定を進める過程で趙王の遷(せん)を捕虜とし、さらに燕攻略のため中山に駐屯したとある。

女性?!

漫画『キングダム』では羌カイを女性とし、蚩尤(しゆう)という巫術(ふじゅつ)一族の中での最強の戦士として描いているが、この一族は史料には登場しない。

神話伝説の中では…

ただし、羌カイの名は中国の神話伝説の中で特別な意味を持つ。

中国の神話・伝説の時代は三皇五帝に始まるが、「五帝」の一番手は黄帝で、名を軒轅(けんえん)という。多くの諸侯が黄帝に従うなか、最後まで抵抗を続けたのが羌カイだった。

鋼鉄のごとく堅固な額に加え、濃霧を起こす能力を備えており、黄帝をさんざん悩ますが、最終的には指南車(方位磁石を備えた車)を創り出した黄帝に敗れ、捕らえられた。

伝説上とはいえ、黄帝を苦しめた羌カイはその不可思議な術とともに長く記憶に刻まれたのだった。

参考:別冊宝島2600春秋戦国時代合戦読本、双葉社スーパームック『春秋戦国の英傑たち』

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