8050問題とは?
親が80代で後期高齢者(病気・要介護)、子が50代の無職引きこもりで、生活が経済的に困窮し精神的にいきづまっている家庭が増加している社会問題
現在80代の親は、高度成長で日本経済が右肩上がりの時代を生きてきたので、子供を家庭に抱え込むことができる経済力を持つ。また年金の支給も潤沢。
引きこもりの定義
✅自室からほとんど出ない
✅自室から出るが家からは出ない
✅近所のコンビニなどには出かける
✅趣味の用事の時だけ外出する
こういった生活が6か月以上続く場合を「引きこもり」と定義
引きこもりの人数
40歳から64歳 約61万人(2018年内閣府調査)
15歳から39歳 約54万人(2016年内閣府調査)
足し算すると、およそ105万人いることになる。
千葉市97万人以上、仙台市108万人以下だ。引きこもり・ニートだけの都市ができたならば、日本12位の人口になる。
年齢の内訳は?
60から64歳26%、50代が36%、40代が38%
全体の70%以上が男性
5年以上の引きこもりが過半数、20年以上も2割弱もいる。
引きこもりの高齢化
平均年齢は、2002年に26.6歳→2018年35.1歳に上昇
3割が40歳以上、それに伴って親の年齢も高齢化(2018年は65.9歳)
7040問題
就職氷河期世代
バブルが崩壊し、景気低迷に苦しんでいた1993年から2004年ごろに大学や高校卒業し就職活動に苦しみ、非正規など不安定な職についた人たち
この年代の引きこもり達が現在40歳前後で「7040問題」という言葉もある。
引きこもりの2大類型
家庭内暴力がない、おとなしいタイプ
家族と距離を持って生活する
自分の引きこもりを否定しながら生活するので、引きこもりを指摘されると逆上することも
家庭内暴力を伴うタイプ
自分がうまくいかないのは全て親のせい
勉強を強要され友達と遊ぶことやゲームを禁じられるようなエリート家庭に多い
きっかけは?
退職、人間関係、病気、職場に馴染めなかったこと、就職活動がうまくいかなかったことなど
相談してるの?
引きこもりについて誰にも相談していない本人・家庭は、44.7%…
引きこもりになるかもしれないシグナル
☑高校や大学で友達ができない
☑受験や就職に失敗して挫折してしまう
☑昼夜逆転の生活
☑ネットやオンラインゲームにハマる
自力で引きこもりから抜け出す方法
無職ニートは「肩書き」がないことに強いコンプレックスを持っている。
↓
だから「肩書き」を手に入れる。若い人ならば「大学生」(通信制でも)、社会人ならば「会社員」(非正規でも)
↓
そのことによって自信が少し芽生え人とコミニケーションを取れるようになる可能性が高まる。
親が引きこもりに対処するポイント
引きこもりを肯定してあげるスタンス
引きこもりをしている人は今の自分を良いとは思っていないので、現状を肯定しつつ長い時間をかけてアプローチ
強制的に引きこもりから抜け出すさせるのは逆効果になる可能性がある。「働け」「学校行け」なんてNGワード…その一方で「そうだね」が魔法の言葉!
依存をコントロール
親に対する敵意の部分ではなく、依存の部分で対処する。
依存させる度合いを徐々に薄めて行って自立を促していくこと。
例えば、同居している場合、多少費用はかかっても一人暮らしをさせるなど。
孤立しない!
何よりも大切なのは抱え込まず相談すること。民生委員や行政の引きこもり地域支援センターや、生活困窮者支援窓口などに相談すること。第三者の力を借りること!
家族が社会から孤立してきたことが、引きこもりを深刻化させている。
引きこもりをしている本人も、その親も、つまりそれは家庭が外部とつながっておくことが大切なのだ。
参考:週刊新潮2019年6月13日号、週刊朝日2019年6月14日号